労働力人口が減り、フリーランスとしての働き方が注目を浴びる中、企業の中で働く人の数は過去にないくらいに減ってきています。一方で、業績の拡大など一部の業界もしくは企業においては人が足りない状況が続いているのも事実です。
転職を志す人にとっては、良い環境がここ数年続いていますが、かといって誰でも満足度の高い転職を実現できているわけではありません。
数ある転職サービスの中で、どのような選択を取るのか?事前の知識や活用法によって転職の実績に差が出てきているように感じます。
今回は、転職サービスに関する概要把握と、その知識が転職実績にどう結びついているのか?関係性を見ていきましょう。
転職市場が好調なここ数年でさまざまな転職サービスが生まれてきています。それぞれどのような特徴を持っているのか確認します。また、転職に関するアンケートの結果から、それぞれの知名度に関しても確認していきましょう。
従来からあるポピュラーな転職スタイルの一つで、この形式で転職先を見つけ転職を実現している人がもっとも多いです。身近な所では駅や大きなお店に置いてある求人雑誌などもこの求人検索型に含まれます。
非常に手軽に案件を確認できるので、他の人と特にコミュニケーションを取らなくても求人の内容確認と比較を行うことが可能です。一方で、コミュニケーションを取らなくて済んでしまうので、実はあまり良くない案件だったり、客観的にみるとあまり相性が良くない案件だったりしても気づかずに応募してしまう可能性があります。
きちんと自己分析ができていて、求人検索結果の少ない情報の中からでも見極める目を持っている人や、それほどこだわりが強くなくとりあえず仕事を見つけたい人にとってはおすすめの選択です。
75%もの人が認識しているため、新しいサービスが出てきたとしても盤石の地位を築いているといえます。
こちらも昔からある仕事を探す方法の一つで、地域のハローワークに行って自分に合いそうな案件を見つけ、それを窓口の人とコミュニケーションを取りながら進めていくものです。
求人検索型と似ていますが、より地域密着型でありハローワークごとに管轄している地域の案件がほとんどです。また、窓口の方とコミュニケーションを取りながら進めていけるので、自分にはどういう案件が適当なのかをある程度把握できます。
地域に根付いた場所で働きたいと考えていたり、自分ひとりで仕事を見つけるのは難しいと考えていたりする場合には、おすすめです。
こちらもやはり認知度は高く、およそ60%以上です。特に中高年の方に対しての知名度はトップです。
エージェントというと、スパイのようなイメージを持ってしまいがちですが、実は代理店や仲介業者という意味も持ち合わせています。転職を志した時に転職先の企業との間に入って仲介をしてくれます。
何となく代理人というと、プロスポーツ選手の移籍の際に間に入ってよい条件で契約をできるようにしてくれる人のイメージがありますが、まさにその一般版と考えてよいでしょう。
最近では、このエージェント型の転職サービスもかなり増えてきており、実際にかなり多くの人がエージェント型のサービスを利用して転職を成功させています。
よい転職を実現させるためのアドバイスや練習だけでなく、就職先と給与や仕事内容の交渉まで実施してくれるため、転職希望者にとってはとてもありがたい存在に思えるのではないでしょうか?
ある程度任せてしまいたい人にとってはおすすめです。ただし、積極的に動きますので多少面倒に感じてしまう場合もあるので、注意が必要です。
認知度は46%程度と思ったよりも高いです。やはり最近勢力を伸ばしてきているので、転職に関して調べた際に知る人が多いですね。
求人サービスに登録した職務経歴書を見た企業から直接、もしくは求人企業を通して連絡が来る転職の形です。また、少し毛色は違いますが公表されている論文や特許、講演会などの情報から直接スカウトが来る場合もあります。
少し前までは非常に優秀で大企業で働いているほんの一握りの人に対するイメージでしたが、最近はスキルの細分化などが進み適切な即戦力を採用するために、かなり一般企業の一般社員に対しても広がってきていると感じます。
自分から動くことは難しいのですが、チャンスを掴む確率を上げるために、とりあえず登録しておくだけでもいいのではないでしょうか?
エージェント型には一歩及びませんが、こちらも33%と一定の知名度は確保しています。
最近知名度を上げつつあるのがSNS型の転職サービスです。FacebookやTwitterのようなものをイメージしますが、企業と転職希望者が交流をしお互いのことを知って信頼関係を作ってから転職を目指す形です。
すぐに転職をしたい場合にはあまり向いていませんが、転職してからこんなはずではなかったと思うような機会を減らすためにはおすすめの選択肢です。
知名度は10%程度とまだまだ低いですが、これからに期待です。
実際に、1000人の方に転職に対するアンケートを取った結果から、転職サービスに関する事前知識が、転職後の仕事に対する満足度にどの程度影響を与えているのかを確認していきましょう。
私自身は、アンケートの結果を分析する前に、給与の交渉までしてくれるエージェント型を知っていて活用すれば、満足度は高いはずだと思っていました。しかし、全体の満足度63%に対して、エージェント型を知っている人の満足度は70%程度と大きな差はありませんでした。
これは、そもそも知っていても活用していないか、エージェントと合わなかったことによって満足度が上がらなかった人が一定数以上いると想定できます。
より深く関わる中で、相性によるばらつきがどうしても大きくなってしまいそうですね。
もう一つ、上記紹介した転職サービスを3つ以上知っていて転職した人と、1つもしくは2つしか知らずに転職した人の満足度の比較も確認します。事前には、人間は自分で選んだ方が満足度が高くなるという心理学的な要素から、多く知っている方が満足のいく転職に繋がっていると予想していました。
しかし、結果的には満足度に対する差はほとんどありませんでした。あまり事前の知識は関係なく、転職活動をしている中でどのような企業を知り、自己分析をしてどう転職を成功させるか?という点が大事といえます。
最近は、転職市場の好況に合わせて数多くの転職サービスが生まれてきています。今回のアンケートからの分析では結果的に満足度にそれほど大きな差はありませんでしたが、自分に合わないスタイルでは満足度が低くなってしまいそうです。
転職活動を始めてみて、合わないと思ったら他の方法を検討できるように、できる限り事前に知識を得ておくほうがよいでしょう。
今後はエージェント型やスカウト型に続いてSNS型の知名度が上がっていき、さらに新しい転職サービスが生まれてくるかもしれません。